「分かった」
「何だよ」
「執拗に女性キャラばかりグッズ化し、明らかにどうでもいい西条未来まで立体グッズ化する真意だよ」
「人気があるからじゃないか?」
「もっと人気のある男性キャラはどんどん素通りされる。これは不条理だ」
「何があるっていうんだよ」
「クーデター計画だ」
「は?」
「つまりね。男性キャラの存在感をどんどん希薄化し、ある日全てを入れ換える。女性キャラだけのヤマトにするのだ」
「それでも人数足りないよ」
「だからさ。ガミラスからも連れてくるのだ。女であれば敵も味方も関係ない」
「えー」
「とりあえず、ミレーネルは機関室に縁があるから徳川機関長と入れ替わる。メルダは赤が好きだから赤い機首のα1の古代と入れ替わる。ヒルデは紅茶を入れるから平田と入れ替わる。食堂のメニューは平田の……から全部ヒルデの……に変わる」
「えー」
「先生、残念です……と新見が真田と入れ替わる」
「誰が艦長席に座るんだよ」
「そこは、スターシャで」
「えー」
誰がヤマトを救うのか §
「そんなヤマトにはさせない! と立ち上がる勇気ある男達がいた」
「誰だよ」
「伊東と薮だよ。シーガルに隠れてクーデターの粛正をやり過ごす」
「なんて都合のいい」
「そして、『これだから女は』とクーデターの首謀者の新見を撃ってくれる」
「これだから伊東は」
「ついでに、異星人は信用できないとスターシャも撃ってくれる」
「ホントかよ」
「そういう結末ならいいなあ」
「ただの願望かよ」
「ただ、本当に誰かが立ち上がらないと、気づいたらヤマトは女性キャラに占拠されかねない」
「それは間違っているわけだね」
「結局、ヤマトの歴史はひたすら女性キャラが減少する歴史そのものだ」
「いたはずのキャラがどんどん退艦したりいなかったことにされた歴史ってことだね」
「復活篇でも1人以外は特別な部屋にしかいない」
「しかも、その部屋が最後の最後で壊れちゃうわけだね」
「オーディーンがあるべき最良のヤマト像だとすると乗っている女性は1人きりで、しかもゲストということになる」
「でも1人でいいの?」
「潜水艦イ-57降伏せずであってもローレライであってもイン・ザ・ネイビーであっても女は乗せない潜水艦に女がいるからドラマになる。そういうことだ」
「女は乗せない……といいつつ乗るのだから何人も乗るわけがないってことだね」